医療で地域に貢献します。

医科歯科連携について

医科歯科連携について

近年、医科歯科連携の必要性が強調されています。
歯周病菌は全身の病気と深い関係があり、手術や抗がん剤治療などで一時的に全身の抵抗力が弱まった時に肺炎や重度の口内炎などの合併症を引き起こしてしまいます。当院は、院内歯科をもっていないため、地域の歯科の先生と連携をはかることが非常に重要です。
歯科医師会とも連携を図りながら、患者さんが最善の状態で治療を受けることができるように支援させていただきます。

〇人工関節置換術前・術後の歯科連携 整形外科医師よりメッセージ

口腔内ケアが不十分であると、人工関節術後に血行性感染を起こす危険性があります。そのため、手術前には口腔内の環境を整えるため歯科受診をして頂いております。手術前および手術後にも継続的に口腔内の感染に十分注意しましょう。

〇肺がん術前・術後の歯科連携 呼吸器外科医師よりメッセージ

手術

肺がんに対する手術において、最も多い合併症は肺炎と言われています。その多くは、口腔内常在菌による肺炎です。肺がんの手術は肺を切除するので、残った肺をいかに肺炎などから守るかが大事になります。
近年、肺がんの手術患者さんに対して行われた研究などで、口腔ケアを行うことで肺炎を含めた合併症が改善し、手術後の死亡率も低下すると言われています。そのため、三原市医師会病院でも歯科と連携し口腔ケアを肺切除前に行い、合併症予防をしています。 一緒により安全で、より良い肺がん治療ができるようにしましょう。

〇肺がん 化学療法の歯科連携 呼吸器内科医師よりメッセージ

化学療法

抗がん剤治療中には免疫機能が低下しますが、もともと歯周病のある方では歯周病の悪化のためにがんの治療を中断せざるを得なくなることがあります。
また抗がん剤の中には副作用として口内炎を引き起こす薬剤があり、重症になれば食事を摂れなくなることもあります。
抗がん剤治療を始める前から始めた後も歯科を受診して、定期的に診察を受け、お口の中の健康や衛生を保っておくことが大切です。

〇脳卒中の歯科連携について 脳神経外科医師よりメッセージ

全身麻酔の手術においては、人工呼吸器管理のために全例で気管内挿管を行います。このため、手術前に口腔内の環境を整えておくことは非常に大切です。歯科による専門的な口腔ケアを手術前に行うことで、術後肺炎の予防や早期の経口摂取の開始に役立ちます。手術前の歯科受診をお勧め致します。

医科歯科連携研修会を行いました

2022年2月28日、三原市歯科医師会より講師を招き、院内研修として「医科歯科連携研修会」を開催しました。感染対策の一環として、リモート(Microsoft Teams)を併用した初の試みとなりました。
講師は、(当時)三菱三原病院の歯科・口腔外科 前田耕作先生が担当され、当院に関係する①化学療法②人工関節手術③糖尿病と歯周病④睡眠時無呼吸症候群⑤顎骨壊死に関する歯科連携について、エビデンスを踏まえた重要性を再確認する内容でした。当院は、歯科がないため地域の歯科医院様と連携を密に図る必要があります。研修会を踏まえて、歯科連携の更なる強化に向けて取り組んでいきたいと考えます。

講師を務めてくださった(当時)三菱三原病院
歯科・口腔外科 前田耕作先生

医科歯科連携研修会の様子

三原市歯科医師会よりコメントをいただきました。

医科歯科連携研修会を開催していただき、歯科医師としても有意義な時間となりました。歯科の日々の診療において、医科歯科連携の充実の必要性を実感することがあります。たとえば、歯周治療をすると、糖尿病の数値が良くなったり、反対に糖尿病が改善すると、口腔の状態が目に見えて良くなったりします。また、がん治療を長くされている方や認知症が進んで寝たきりになっておられる方に対して定期的な口腔清掃をしてあげるだけで、誤嚥性肺炎を防ぎ生活の質が向上するのはもちろんの事その方の寿命さえも長くしてあげれるのではないかと思うこともあります。

講演の最後にありました「顎骨壊死」の部分は、歯科医師であれば誰もが悩んでいる部分です。骨粗鬆症やがんの骨転移などでBP製剤、ランマークやプラリアなどのデノスマブ製剤を投与中の患者さんは十分に医科歯科の連携のもとに治療しないと大変患者さんを苦しめる結果になる可能性があります。注射剤のBP製剤やデノスマブ製剤の投与を始められるにあたっては、かかりつけ歯科にご連絡いただけると大変助かります。

PAGETOP
Copyright © 三原市医師会病院 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.
PAGE TOP