当院では、令和4年6月に「骨粗鬆症チーム」を結成しました。チームの介入対象は「大腿骨近位部骨折(大腿骨転子部骨折、大腿骨頸部骨折)を受傷された患者さん」とし、再び骨折しないよう多職種によるアプローチをおこなっています。
骨折治療は、「薬物療法」「運動療法」「栄養指導」の確実な実施が極めて重要です。入院中に実施した治療を退院後も継続いただくため、当院では退院後1年間はフォローさせていただきます。整形外科の外来には骨粗鬆症チームの看護師が配置されており、治療継続のための極め細かい指導を実施しております。
<FLSチームメンバー>
当院FLSチームには、2名の日本骨粗鬆症学会認定「骨粗鬆症マネージャー」が在籍しております。
■院内研修会
骨粗鬆症治療に関する院内スタッフの知識向上を目的として、院内研修会を実施しております。会場開催とリモートによるハイブリッド開催を行っています。
◆2022年 院内研修会 講師:安原副院長(FLSチーム リーダー)
◆2023年 院内研修会 講師:三宅薬剤師(日本骨粗鬆症学会認定 骨粗鬆症マネージャー)
◆2024年 院内研修会 講師:藤原管理栄養士
■定例運用会議について
月1回、定例会議を開催し、チームの方針を決定しています。
■学会発表・学会参加
・第25回 日本骨粗鬆症学会(愛知県)
・第47回 尾三医学会(三原市) 発表者:岡MSW
・第26回 日本骨粗鬆症学会(石川県) 発表者:安原副院長、岡MSW
・第9回広島骨粗鬆症マネージャーミーティング(広島市、web) 発表者:岡MSW
OLS活動等
1.世界骨粗鬆症デー 検査イベント
10月20日は、「世界骨粗鬆症デイ」です。当院では、令和4年より、世界骨粗鬆症デイにミニイベントを実施しています。
県立広島大学 三原キャンパスの「コツコツ健康増進号」を使用して、飯田教授による前腕DEXA検査をおこないます。これにより骨密度を測定し骨粗鬆症のリスクを調べます。
検査対象は、通院患者さん・その付き添い者、医師会病院職員としています。参加された方からは「意外と骨密度が低かった。今日から日々の生活を見直していこうと思う」などのコメントが聞かれました。骨粗鬆症に対する意識を高めるきっかけになっていると考えます。
骨粗鬆症は、「沈黙の病気」であり検査をしてみないと分かりません。早期に発見し適切な対応をすることで、生活の質の低下を防ぐことができます。これまで一度も検査を受けたことが無い方は、一度は受けられることをお勧めします。当院の健診科でも骨粗鬆症検査を受けることが可能です。
2.骨粗鬆症教室「骨(こつ)こつ教室」
当院では骨粗鬆症の啓発を目的として、令和5年度より骨粗鬆症教室を開催しています。教室の名前は「骨(こつ)こつ教室」です。講師による講演、意見交換などを実施しております。お気軽にご参加いただければ幸いです。
3.施設訪問
骨粗鬆症治療は一施設だけでおこなえるものではなく、地域の医療福祉機関の協力を得ながら継続する必要があります。令和5年度、当院が協力医療機関を担当している施設へ訪問し、二次性骨折予防の啓発講演を実施しました。講演はFLSチーム副リーダーの井上医師が務め、県立広島大学のコツコツ健康増進号の協力を得て施設職員へ骨粗鬆症検診を実施しました。
■有料老人ホーム あすなろ苑
■特別養護老人ホーム 三原慶雲寮
4.骨粗鬆症健診
日本で骨粗鬆症を患っているとされる人数は 1,280 万人とされています。ところが診断を受けて治療をうけている患者さんは「20%前後」と極めて低いの現状です。診断されにくい理由は、「骨粗鬆症」は無症状であること、骨粗鬆症健診の受診率が低いことなどが考えられています。これまで骨粗鬆症の健診を受けていない方は、一度は検査されることをお勧めします。
当院でも骨粗鬆症の検診を実施しています。
5.SNSでの情報発信
SNSを使用して骨粗鬆症教室の案内やチームの情報を発信します。よろしければLINE公式アカウント・Instagramのフォローをお願いします。
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